スローフードという考え方

スローフードという考え方があります。
これはイタリアから発信された「食」を大切にするという考え方で、ファーストフードの理念とは相反するものです。
その考え方が始まった経緯とその理念をご紹介致します。

【スローフードの始まり】

忙しく働きまわり、少しでも仕事に時間をまわすために食事の時間を削るような現代において、街中ではファーストフードの存在が勢いを増し続けています。
1980年代半ば、イタリアの名所であるスペイン広場にファーストフード店ができたことによって、イタリアが誇る「食を大切にする文化」に対する見直しの運動が起こりました。

伝統的な食材や料理などで消えつつあるものや、それを作っている小規模の農家を守ったり、食に対する教育を行うなど、具体的な活動はスローフードと呼ばれる理念をもとにイタリア国内に広がっていったのです。

【基本的な理念】

ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン氏が1825年に発表した著書により、「人は喜ぶことには権利を持っている」というコンセプトが発表された後、イタリアは「美食とは何か」ということをキーワードに不自然な調理法、食材選びや食べ方などを見直していきます。

本来の自然な食のあり方は、ファーストではなくスローです。
早い調理法、早く食べることなどの急ぎ足から立ち返り、ゆっくりと大切に調理し、時間をかけて食事を楽しむ。
イタリアが昔から大切にしてきたものをここでもう一度見直すといったこの活動は、世界各国に大きな影響を与えました。

イタリア料理は、そういった理念を掲げるほどに食に対しての思いが深いイタリアの核となるものでもあります。

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